すごく久しぶりな秀の部屋。
前は毎日のように来てたのに。
「随分急な帰りだな。」
「うん。」
「帰ってくるって連絡あって、プレゼントでも用意したかったのに。」
「あははッ、残念。次は連絡するよ。」
「だ~めっ!!もうばれてるじゃん。俺は驚かしたいの!!」
「はいはい。秀、大学はどう?」
「ん~。やっと慣れてきて、楽しいよ。友達も出来たし。」
「うん、すんごい楽しそうな顔してる。」
嘘!!とか言いながら顔を両手で押さえる秀を、愛しいと思った。
茶色に染められて、整えられてる髪、
少し大人びた顔、少し伸びた身長。
また、かっこよくなった。
自然と頬が膨らむ。
「お?何いじけてんの?」
「べっつにィ~??」
「おいおい、あからさまになんかあるじゃん。」
少し歯を見せて笑う秀。
あ―。そんなとこもカッコイイ。
「心優は、大学どう?」
「ん―?ふっつ~だよ。」
こんな答え方をしているあたしは、絶対可愛くない。

