「朱音さん達は信歩が潔白だと
思ってるって事なの…なんですか?」


「ふふ、いつも通りで良いのよ?

そうね…会った事がないから
自信を持って肯定は出来ないかしら。」


敬語が使い慣れてない黒鉄に皆が肩を震わせる。


「えっと、それじゃあ…。
少しでも潔白だと思ったのはなんで…だ?」


「それは、貴方達の方が分かると思うけど?

彼女は少しでも
貴方達に何か求めたり、縋ったりした?」


【してません、何も。】


目的があるなら擦り寄って来る。

でも、信歩は逆に遠ざかった。


「世間では裏切りの姫と言われているけど、
そうだと決め付けるのはまだ早いわ。

…その子と一度会いたいものね。」


そう言って朱音さんは少し苦しそうに笑った。