棗side


「優しい棗は仲間を見捨てないよねぇ〜?」


「…ッ……!」


この女は抗う事が出来ないと知っている。


『棗…!』


手を引かれ、視線を合わされる。


『ねぇ、どういう事…?
瑠愛が「『朱雀』を消す」って……ッ!!』


「それは…。」


信歩の真っ直ぐな瞳を見ていられず、目を逸らす。


こうなったのは…全て俺のせい。
瑠愛のアイツの本性を見抜けなかった俺の……。