紫苑side


信歩に何も説明しないでバイクを走らせる。

俺の様子を見て感じ取ったのか
信歩も何も言わない。


そして、ある一軒家の前でバイクを停めた。


キィ…


帰って来るのは何年ぶりだろうか。


ガチャッ!


玄関の扉を開けると懐かしい匂いがした。

その匂いはその想いと同時に悲しみを思い出させる。


紫苑sideEND