紫苑side


ガチャ…


『紫苑、上がったよ…。』


信歩の声が聞こえ、
振り返るといつもと違う瞳と目が合った。

噂で聞いたよりも深いエメラルドグリーンの瞳、
一度だけ見た真紅の髪。


その姿はまさに神話に出て来る朱雀の様だった。


『み、皆は私を知ってるからいっかな!って…。
髪は見た事あるよねッ!?』


ワタワタと少し落ち着きなく話す信歩。

その手は微かに震えていた。


紫苑sideEND