紫苑side


『ここ…みたいです。』


女が行きたがっていた
目的地を見て唖然とする。


誰が見てもボロアパートにしか見えない。
本当にここか?


女の地図を見直してもここだと記している。


『あの、助けて頂いた上に
道案内まで本当にありがとうございました!

それじゃ!!』


バタンッ!


俺に向かってお辞儀をすると、
走ってボロアパートに入って行った。


"絶対、罠だって!!"


琥珀の言ってた事を信じた訳じゃない。

けど、連絡先位は聞いてくるとかは
少しだけ思ってた。


…変わった女だな。


そう思って元来た道を戻った。


紫苑sideEND