ウサギと皐月色

後ろから誰かが追いかけてきていた


「おい、神楽、待てって」


待たない。陸上部だった私に追いつくわけがない


ましてや、あんな足で…


私は急に止まった



「ふーき、足!!大丈夫?走らせてごめん!」


私は凄く焦った


走ったらいけない足である、走れない足である事

その事をよく知っているはずなのに…


「だ、大丈夫。」


「大丈夫じゃないよ!!ほんとごめんごめんごめん。私といるとろくなことない!」


「…もしかして足のこと言ってるの?」


「うん…だって私のせいだし……」

「お前のせいじゃないから!!」


ふーきはすぐに言葉を返してきた。


そんな事言われたって…だって…


私は勇気を出して聞いてみる…


「じゃあなんで学校変えたの?」


「え…」

動揺してる

やっぱり私といると辛いからだよ…


私が黙っていると

「お前が想像してんのと違う!」

「だって…」


「確かに学校は変えた、けどそれはお前のせいじゃない。」


「じゃあなんで…?」