ウサギと皐月色

「うわー。ふーきのやつ、また女子に囲まれてやんの」

不貞腐れたようにけいくんは言った


「今でもモテるんだなぁ、やっぱり」

私が漏らしたその声をけいくんは聞き逃してくれなかった


「ウサギちゃん心配になった?」


「い、いいいや、違う!違うよ!?」


慌てすぎちゃった。これじゃあ心配丸出しだ…


「ウサギちゃん、面白いなぁ」


笑って面白がってるけいくんとは対象に


「ほら、笑わない。ウサギ困ってるでしょ?」

珍しく、もえが真剣な眼差しで止めてくれた


「ごめんごめん、けど大丈夫だよ!見ててみ」



私達はふーきの方を見た。

ふーきは、周りの女子を邪魔そうな目で見ていて、追い払おうとしていた


「ほら、あいつ女子をウザがってるから!」


「ほんとだ、けど女子にあの扱いは酷すぎない?もっと優しくなかったっけ?」

もえは厳しい眼差しで見ていた


「しょうがないよ、あいつ、周りの女子によく物取られてっから」


「うーん…」


もえは納得していないようだったけど…

物取られるのは可哀想だな、

過激な女子もいるんだな