ウサギと皐月色

「なーにぼーっとしてんの?」


「いや、なんでもないよ」


「そう?ならいいんだけど…元気出してね?」

「ありがと…!」

もえに心配かけるわけにはいかない

本当に頑張ろう…うん…




「着いたー!!校門の前で待つって憧れてたんだよねー!」

とうとう着いた。

私も憧れてたけど、こんな形で待つとは思わなかったなぁ


カチカチカチッ

もえが彼にLINEしてくれてる

それにしても…


「もえー、ガラケーのキーボード打ってるんじゃないのにカチカチすごいね」

私が笑って言うと

「ネイルするために伸ばしてんだよ!!」

少し不服そうにもえは言った

「ネイルしよーなんて私は考えた事なかったなぁ」


「ウサギは女子力かけてんの!!陸上部で周り男子だらけだったからしょうがないかもだけど…」


「あははぁ」


「てか、なんで陸上部入んなかったの?」


「えぇーと…それは…」

もえには話していない。話せない。

これはふーきとの秘密でもあるから…


「あー!もうすぐ来るって!!」


タイミングが良くて助かったぁ!!