「俺はいつだって純粋なんだけど」
「そういう人ほど純粋じゃないし、チャラさを語ってる容姿じゃ純粋さ訴えられないぞ」
「それは偏見だっての。茶色に髪染めてても、ピアス開けてても、飲酒してても喫煙してても純粋な人いるし」
「…自分で自分のやってること晒してくやつね」
苦笑すると、クラははっとした表情をする。
「おまえ、やっぱり未成年飲酒喫煙してたんだなぁ」
「学校行ってたときはばれなかったし、問題ない」
そういう問題か、と今度は幼い子を見るような笑いをしてしまった。
「なんだよう」
「純粋というか、幼いよな春希」
「悪いかよ」
「今すぐ悪い判定が下るわけじゃないけど、ゆくゆくは悪くなるだろうなぁ」
難しいことをいってしまったなぁ、と思うがよく考えたらバイトをしている訳だし、彼は社会人である。
「まだ16だぞ」
「…俺は17。春希もそのうち誕生日くるでしょ。いつだっけ」
度々垣間見える空っぽさに、若干心配になるも、生きるのが楽しそうだななんて思ってしまっていた。
「え、3月24日」
きょとんと首を傾げる。4月5日生まれの俺と一年近くも生まれた時期が違うのか。妙に彼の幼さを納得してしまう。
「知らなかったっけ?」
「奈央と初しか知らなかった」
「奈央が…5月12日?」
「6月12日な。初が8月2日」
「初、夏生まれなイメージ無い」
「わかる、どっちかっていうと冬っぽいイメージあるよな」