ふと酒の缶を片付けようと立ち上がると、またもやまなみから連絡が来る。なんだ、と携帯を覗き込むと、
「また、春希はいやかもしれないけど、中学の頃の5人で仲良くしようと努力したいんだよね」
という、メッセ。ぐるぐると脳みそをかき混ぜられる感覚に陥るが、割りと冷静だった。
「俺は別にいいと思うよ。誠也の連絡先しか持ってないけど」
あの時、苦手だったといわれた初からも仲の良かった奈央からも関係を切られていたし、誠也だけは疎遠になったものの俺からのメッセをブロックしていなかった気がする。
「うん、ありがとう。それは大丈夫。私も初くんと誠也くんの連絡先しか持ってない。けど、誠也くんが2人の連絡先持ってるはずだから、頼めばいけるかも」
「また喧嘩になりそうだけどなぁ」
「それでも私が満足したいからさ」
少しだけ想定をしていた。またあの3人とかかわったらどうなるか。俺はどういう立ち位置になってしまうのか。戻れるのか。…まなみはどうなるのかどうするのかとか。
「いいじゃない?俺は協力するよ」
…一番投げやりな方法だ。しかし、これでまた5人で話せるのではないかという一抹の期待があることも否めない。俺はまなみとのトーク画面を閉じ、誠也のアカウントへとび約一年ぶりにメッセを飛ばした。

 「久しぶり」
返信が来たらまた考えよう。それまでは生活のこととか5人のころへの回想へ浸らせてくれ。