「よかったじゃん」
春希はまなみのことが好きで、奈央は春希のことが好きで、初は奈央のことが好き。ただ好きな気持ちがすれ違っただけだと思っている。
「誠也、みんなの連絡先持ってるでしょ。グループチャット作ってよ」
「はいよ、やっとくわ」
トーク画面を閉じ、グループチャットを作るページへ向かう。胸の高まりを感じていた。俺自身もワクワクしているのだ。あのでこぼこながらも何とか繋がれていた5人に戻ることが。作る、のボタンに触れるが息が少しだけ苦しくなる。現実を思い返してしまうのだ。完璧に元に戻れるなんてない。割り切ろうと呼吸を意識した。グループの場所は作ったものの、勇気がでず、この作業は明日に回すことにして、呼吸を整えながら勉強を再会した。