「いらっしゃいませ、二名様ですか?」
「はい」
「では、こちらにどうぞ」
店員さんに言われるがままに席まで連れてこられた。
店員さんは一礼すると、笑顔で去っていった。
あの店員さん頬がすごい緩んでたなぁ。
まぁー…翼くんみたいなイケメンがお客さんだと嬉しいんだろうな。
「お前、どれにすんの?
あんま、高いやつにすんなよ」
まるで、小さな子供のように
楽しそうにメニュー表を見ながらあたしに問いかける翼くん。
なんか、いつもの翼くんじゃないみたい。
いつもは俺様で強引で口が悪くて大人っぽくて……
子供っぽいところなんて一切ない翼くんが今はただの小さな子供に見える。
なんて、本人に言ったら殺されるから心の中だけに秘めておこう。