よ、よかった〜…
拡散するためじゃなくて、
あたしのためにわざわざ出してくれたんだ。
そうだよね、翼くんは酷いやつなんかじゃなくてすごく優しい人だもん。
「とんだ勘違い女だな、お前は。」
頭の後ろで手を組んであたしの隣を歩いている翼くん。
なんか…放課後デートしてるみたいっ…!
なーんて、浮かれちゃったりしちゃう。
「うるさいなぁ!
というか、どこに向かってるの?」
学校を出てからしばらく歩いた。
もう、そろそろ着いてもいい頃じゃない?
「どこでもいいだろ」
翼くんに聞いたあたしがバカだった。
あの翼くんがすんなり答えてくれるはずもない。
仕方ない…、黙ってついて行くか。