「んだよ。うっせぇな、悪い?」
「な、なんで…!?」
てっきり、帰ったのかと思ってたから……
だって、あの翼くんが可愛くもないあたしを待っててくれてるんだよ?
どうやっても考えられないでしょ。
「……なんとなく」
「な、なんとなくって……」
「いちいちうるせぇな。さっさと帰るぞ」
「あっ…!ちょっ…!!」
そういうと、あたしの腕を掴み
グングンッと下駄箱の方へと歩いていく。
なんか、今日の翼くん強引だ。
いつもならあたしになんか興味無いくせに。
こんな思わせぶりだから諦められないんじゃん。
翼くんのバーカ…
こんなの口に出したらただじゃ済まないから
心の中でそっと呟く。



