ジッと自分の手を見つめる。
うーん……やっぱり目障りだったから繋いだだけだよね。
だって、翼くんはあたしに興味無いもん。
そうそう、興味…ないの。
自分で思っときながら、悲しくなってくる。
でも、当分手洗いたくないなぁ。
せっかくあたしの手に翼くんの手が触れたのに。
超レアだよ、スーパーレア。
「おい、安西。そんなとこで何突っ立てんだよ」
職員室に入って、何もせずただ自分の手を
ジッと見つめていたあたしに先生が
不思議そう見ながらに声をかけたのだ。
「あっ!!これ!日誌です…!!」
先生に日誌をバッと差し出す。
あたしってば、自分の世界に浸りすぎだよ。
「あぁ…お疲れ。気をつけて帰れよ」



