「んなもん、別にどうでもいい」
タッタッタッと歩いていくからあたしも仕方なくついていく。
「ど、どうでもって……」
職員室までの距離が早く感じてしまう。
だ、だって…翼くんの男らしいゴツゴツした手があたしの手に触れてるだけじゃなく、
握られてるんだよ…!?
ほんとに大事件ってぐらいヤバイことだよ!!
「ほら、着いたぞ。持ってけ」
繋がれていた手が離れて、
ぽんっ、とあたしの頭の上に日誌を置いた。
「あっ…うん!」
あたしは日誌を受け取り、職員室に入った。
名残惜しい……なんて思っちゃったら贅沢だよね。
付き合ってもないのに手繋げただけでも十分なのに。



