それから、教室に戻ると翼くんはいつもと同じように
千鶴ちゃんと竹木くんと楽しそうにお喋りしていた。
楽しそうだな……
あたしも、もっと翼くんに近づけたならいいのに。
そんなこと思いながら、自分の席に腰を下ろす。
「ねぇ、あんたたち二人で何してたの…!?」
席につくと、あたしの前の席の朱里が
身を乗り出して、興味深そうに聞いてきた。
なにって…別に何もしてないんだけど。
「何もしてないよ」
キスされそうになったけど、
あれは翼くんよよくある冗談で本気にしちゃいけない。
「えーっ、嘘だぁ」
「ほんとほんと」
「だって、『その名前で呼んでいいの俺だけなんだけど』とか言われてたくせにー!」
朱里が興奮気味にバンバンッと机を叩く。
こ、こんな朱里久しぶりに見たなぁ。
朱里はこう見えて少女漫画みたいな恋愛に憧れてるからなぁ。



