「なぁ、聞いてんの?」
誰一人答えようとしない。
それもそのはず、翼くんは昨日確かにあたしのことを『リトルバカ』だと言ったけど、
みんなに言えとは指示していないから。
「その名前で呼んでいいの俺だけなんだけど」
────ドキンッ
心臓が止まったかと思った。
だって…なんか嬉しくて…翼くんがこんなに守ってくれて。
「わ、わかったよ…!!悪かったよ!」
「俺に謝んじゃなくて、コイツにだろ?」
そう言って、少し横に移動した。
だから、あたしの前にはクラスメイトたちがいる。
「ごめん…安西さん」
メニュー