「いい返事だな」
さっきまでは“白馬の王子様”だった翼が今は普段の自信たっぷりな“俺様王子”に戻っていた。
「翼、大好きっ…!」
「うわあっ…!」
そういって抱きつくと翼はちゃんとあたしを受け止めてくれた。
「ったく……」
「ねぇ、翼…あたしのこと覚えてたの?」
そう、ずっと聞きたかった。
あの日のことを翼は覚えてたの?
「うん、まぁな。
でも、お前があの時の受験票を落としたバカだとは思ってなかったけどな」
抱きついているから顔は見えないけど、どうせバカにしたような顔をしているのは観なくても分かる。
「あたしは一目見て気づいたのに?」
髪の毛は明るくなってたけど、
声とかですぐにあの時の人だって分かった。
なのに、翼は今の今まで気づかなかったなんて…あたし、よっぽど印象薄かったんだなぁ。



