【完】俺様王子とKissから始めます。




「可愛かったから、つい」


いや、“つい”じゃないよ…!!

あたしの心臓がもたないって…!!!



「……あっ!!缶バッチ…!!」



あたしの頭の中にぽんっ!と急に浮かび上がってきた。

今の今まで忘れてたよ。
放ったらかしてきちゃった!!

どうしよう…っ!!

千鶴ちゃんに悪いよね?

今から探しに行かなきゃ…!!


「あー…それ千鶴の嘘だから」


「えっ!?」


嘘…!?

あれ嘘だったの!?
もーっ…あたしってばすぐ簡単に騙されちゃうなぁ。


将来、オレオレ詐欺とかに引っかかっちゃったらどうしよ…って今はそうじゃなくて!!


「なんか意地張って嘘ついたらしい。ごめんな」


「でも、よかったー…嘘で。」


嘘をつかれたことなんかどうでもいい。

そりゃあ、ひどいとは思うけど翼が傷つくところを見なくて済む。

あたしはホッとして胸を撫で下ろした。


「なんで?嘘つかれたんだぞ?」


「だって、翼の傷つくところ見なくて済んだんだよ?だったら、嘘なんて平気だよ」


そういうと、翼は固まって動かない。

ただ、顔と耳だけが赤く染まっていく。

もしかして……照れてる?