翼くんがこんなにもすんなりいうことを聞くのも千鶴ちゃんだけだ。
それがきっとみんなが噂する原因の一つなんだろうな。
だって、なんか特別感あるじゃん?
あたしはなんだかその場にいるのが嫌になって、
空気のようにその場から立ち去り、朱里の元に向かった。
「あんた、キスしたかいあったんじゃない?」
あたしが来るなり、そう言った。
えっ…!?
キスしたかいあったってなんでそうなるの!?
悪いことしかないじゃん…!!
「えっ…!?ないないないっ!!!」
「だって、王子とあんなに普通に話してたじゃん」
「あ…」



