────…コツン、コツン。
翼くんが歩く度に聞こえる足音。
翼くんは一切言葉を発しない。
だからこそ、会場はますますザワつく。
あたしのせいで台無しじゃん…。
目を瞑っているからどこらへんかはわからないけど階段を上がっていたからきっと舞台の上だ。
そして、彼は立ち止まりやっと言葉を発した。
「俺のプリンセスは彼女です」
えっ……?
本来のセリフなら、
『僕のシンデレラよ、会いたかった』と言ってキスする。
なのに、普通に翼くんのオリジナルセリフになってるじゃん。
“僕”なのにガッツリ“俺”だし。
「な、何を言ってるの…!?」
千鶴ちゃんの慌てた声が聞こえる。



