そして、着いた場所は体育館の入口の前。
ここはあたしの劇真っ最中の場所。
まさか、ここに入るんじゃないよね?
「目、瞑っとけよ」
そういうと、翼くんは片方の手で器用にドアを開けた。
お客さんたちは急なことに誰もが振り返った。
劇はラストシーン。
でも、王子の翼くんがいなかったから設定が変わってるみたい。
―――ザワザワッ
会場が周りの人達の声でザワつく。
「王子様…っ!待っていました…!!」
舞台の上で千鶴ちゃんが叫ぶ。
これはきっと半分本心なんだろうな。
あたしは翼くんの言う通り、目を閉じながらそんなことを考えていた。
すると、翼くんは何を思ったのか
客席の通路を歩いて舞台のほうへと歩き出した。



