今日は緊張からか、ソワソワ、ドキドキして全然眠れなくていつもよりもかなり早くに学校へ来てしまった。


教室にはまだ誰もいない。

文化祭用に飾り付けられていつもの質素な教室とは思えないほどキラキラとした教室。


あたしは自分の席に座らずに翼くんの席に座った。

誰もいないんだもん…ちょっとぐらいバレない。

そして、顔を机に伏せて今までのことを振り返る。


初めはあたしからのキスで始まった。

嫌そうな顔されたけど、そこからが始まりなんだよ。

そこからなんだかんだいって優しい翼くんはあたしなんかに優しくしてくれて。

それがもし犬みたいな感覚だったとしても嬉しかったよ。

そりゃあ、あの時は犬なんて嫌だったけど、今思えばすごく嬉しいことだったんだよね。