「俺じゃダメなんだって。
叶わなくてもバカな王子様のこといつまでも待ってんだってさ」
呆れたように伊藤は言ってるけど、
その表情からは莉乙に対する気持ちの切なさや伊藤なりの思いやりが伝わってくる。
「そのバカ王子っていうのはもう流石にわかってるよな?」
「……ああ。」
それは、自惚れてるかもしれないけど俺のことだ。
いや、やっぱり自惚れなんかじゃない。
確実に俺だ。
そんな根拠はどこにもないけど俺だと言いきれる。
というより、言い切りたい。
俺であってほしいんだ。
俺は自分の気持ちには敏感だと思っていたけどそれは大間違いでかなりの鈍感野郎だったらしい。



