「……」
翼くんは何も言わない。
どうして?
告白するチャンスじゃん。
叶わないって諦めかけてたんでしょ?
だったら、ここで叶えなくてどうするのさ。
「あたしは…翼のこと好きだよ…」
沈黙を破ったのは千鶴ちゃんの方だった。
「えっ?」
翼くんの驚いている声。
「もちろん、一人の男の子として……」
ほら……、やっぱりあたしの思い通りだ。
二人は想い合ってる。
ちょっとだけ…千鶴ちゃんが他の人が好きなことを期待してた。
そう願ってた、そうであってほしかった。
だけど、そんな願いも虚しく二人は両想いだった。
翼くんはあたしに振り向かない……
改めて、そう突き付けられた瞬間だった。
自分の胸元のリボンをギュッ、と強く握りしめて涙を堪える。



