「そんなの聞いてどうすんの?」
意外と冷静そうな声の翼くん。
翼くんなら『してほしい?』とかニヤリと、意地悪そうな笑みを浮かべて言いそうなのにな。
「どうって…別に何でもないけど…」
何かほかに言いたいことがあるような返答な千鶴ちゃん。
「そっか。そろそろ帰るか」
でも、それを翼くんはスルーしてそう言った。
ヤバッ…!
いつまでもこんなところで居られないや…!
そう思って慌てて立ち去ろうとしたとき
「待ってよ…翼…!」
教室から千鶴ちゃんの震える声が聞こえてきた。
もしかして、千鶴ちゃん泣いてる……?
どんな状況か声だけじゃわかんないから教室の中を覗きたいけどそんなことしたらここにいるのがバレちゃう。



