ほかの人を好きなろうと思って、
好きになってもたぶん長くは続かない。
だって、一緒にいても思い出すのは全部翼くんのこと。
どうしても翼くんと比べてしまう。
比べては『違う』と思って切なくなる。
あたしは最低だ。
「俺と付き合ってくれない?」
ごめん、伊藤くん。
あたしは……付き合えないよ。
「ごめんなさい…」
そういうと、伊藤くんの表情が曇ったのがわかった。
「お試しでも付き合えない?」
「あたし、きっと伊藤くんのことは好きになれる」
この先、翼くん以外の人を好きにはなれる。
でも……
「え?じゃあ……」
そんなあたしの言葉を聞いて伊藤くんの顔は少しだけ明るくなり、あたしの胸はぎゅうと締め付けられた。
ごめん……伊藤くん。
あたし、伊藤くんのこときっと傷つけちゃう。



