「そうだよな。

今度は俺が莉乙をもう一回振り向かせる番だよな。」


『あぁ。またなんかあったらいつでも言ってこいよ』


「ありがとな、お前も…頑張れよ」



そういって俺は電話を切った。

複雑に絡まっていた糸がスルスル、とほどけていった気がした。


今、俺の心の中にあるのは一本の糸だけ。


それはもちろん莉乙に繋がっている。


莉乙は俺を必死に振り向かせようとしてた。

もうとっくの前に俺はお前に振り向いてたんだ。
だけど、気づくのが遅すぎたんだ。


だから、今度は俺がお前の背中を追って振り向かせる番。


絶対、振り向かせてやるからな。

今度こそ、俺しか見えなくさせてやる。