『は?なんで?』
「アイツ、俺のこと諦めるんだってさ」
お前の言動に振り回されてんのは俺も同じだっつーの。
でも、まあ…俺の方がしてたといえばしてたな。
今思いかえぜば、俺結構前から莉乙に気があったんじゃね?
だって、手繋いだり異常なほどまでに心配になったり急に抱きしめたり。
なのに、俺…千鶴のこと好きだって錯覚してたんだ。
最近、千鶴への気持ちがなくなってきていていることには薄々気づいてた。
だけど、それはそういう時期なんだと思ってたから。
何もわかってなかったのは俺の方だったな。
今更、後悔しても遅いのに。
土曜日になれば、アイツは伊藤を好きになり始めて……
あー…想像してみただけで無理。
アイツが俺の隣にいないとか考えらんない。



