《翼side》
――『あたし、もう翼くんのこと諦めるから。』
――『あたし土曜日行くから』
その言葉が頭から離れない。
なんなんだよ、莉乙のやつ。
莉乙が去っていった下駄箱の前で一人、ただ呆然と立ち尽くす。
あれ……?
なんで、俺こんなにショック受けてんの?
なんであんなやつのためにイライラしてんの?
むしろ、鬱陶しいやつがいなくなってラッキーじゃん?
なのに、自分でもわけわかんねぇぐらい
ムカついて…イライラしてすぐそばにある下駄箱を殴った。
バンッ!という行き場のない怒りが音になって廊下に響く。



