「あたし、もう翼くんのこと諦めるから。」
意外とスッ、と口から出た言葉とは裏腹に胸がはぎゅうっと締め付けられて目尻が熱くなる。
あたしの気持ちも矛盾しまくってるな。
翼くんの事言えないや。
本当に諦められるのか分かんないけど、諦めたい気持ちの方が今は大きい。
好きだからこそ、諦めたい。
「…ほんとにできんの?」
翼くん、絶対信じてない。
どうせ、バカにしてるんでしょ?
「できるもん。」
だから……だから
「あたし土曜日行くから」
それだけいうと、あたしは翼くんが後ろから何か言ってるのを無視して校舎から出た。
もういいんだ。
あたしは伊藤くんのこと好きになるから。
翼くんのことなんてすぐ忘れちゃうんだから。
「ぐすっ…うぅ…つ、ばさくん…っ」
そう思うのになんでこんなに涙が溢れ出てくるんだろう?



