翼くんがくれた保冷剤があたしの手を冷やす。
頬の痛みなんかよりもずーっと胸が痛い。
どうして、こんなの渡すのよ。
嫌いになったんなら、渡さなきゃいいじゃん。
この保冷剤は保健室にある学校のもの。
きっと、あたしの頬を気にしてわざわざ持ってきてくれたんだろうというのが分かる。
なんでそんなに優しいの?
翼くんの優しさが嬉しいはずなのに今は胸を締め付ける。
あたしも相当バカだけど、翼くんもバカだよ。
無意識なのかこんな優しさは逆辛いだけなんだからね。
ねぇ…君はあたしにどこまで好きにさせれば気が済むの?



