あたしは千鶴ちゃんの返事も聞かずにその場から立ち去った。
朱里はしばらく戻ってこないし、食欲もないからあたしは屋上の入口の階段で一人座って泣いた。
「うぅ……っ、」
あたしの鳴咽だけが静かな階段に響く。
ただただ、辛かった。
胸が刃物で切り裂かれたようにズキズキと痛む。
翼くんの千鶴ちゃんをみる顔が頭にこびりついて離れてくれない。
あたしには見せたことのない心配そうなのにとっても優しい顔。
それに、助けに来たのはあたしじゃなくて千鶴ちゃん。
全部わかってたのに…
どんなに頑張っても翼くんはあたしに振り返えらないことも。
なのに…翼くんが思わせぶりな行動ばっかりするから。
翼くんはいつだってズルいんだ。
あたしには興味が無いくせに構ってきて期待させるようなことして。
あっさり、その期待をさっきみたいに裏切るんだから。



