安西を見ていると思い出すやつがいる。
それは俺が受験の日に出会った女。
その時は千鶴に振られてその悲しみからまだ抜け出せてなかった。
その女は受験票を落としたと瞳を潤ませながら言った。
そんなときに無性に“助けてやりたい”って思ったんだ。
なんでこんなこと思ったのか今考えてみてもわからない。
ただ、そんな悲しい顔じゃなく、
笑ったところがみたい…そう思った。
そのときの俺は弱っていたからなのか…。
受験票を見ると、受けるところは俺と同じ高校。
もし、受かったら…もう一度会ってみたいそう思っていたけどボブヘアーの女なんて学校にはいっぱいいるから分からなかった。
顔だって、まともに見てなかった。
俺も受験に間に合うかで焦ってたし。
だから、そいつが受かったのかすら未だに俺は知らない。



