好きすぎて辛いんだよ。
もういっそ、嫌いになれたら楽なのに。
だけど、あたしの心は君じゃなきゃ嫌だってうるさいんだよ。
ほんとに……どうしてくれるのさ。
なんて、意味もない当てつけをしてあたしも隣のベッドに寝転び天井を見つめる。
翼くん……ほんとは今日嬉しかったんだよ。
翼くんが千鶴ちゃんたちのところから抜けてあたしのところに戻ってきてくれたこと。
でもね、どうして戻ってきたの?
好きな人がすぐそばにいるのに。
さっき、好きかわからないって言ってたけど…それは嘘でしょ?
さっきの翼くんの顔は酷く辛そうな表情であたしまで辛くなったもん。
忘れたいから、逃げたいから
自分の気持ちに嘘ついてるんでしょ?
翼くんは…
ほんとは千鶴ちゃんのことが大好きなんだよ。
だって、君がどんな夢を見ているのかは知らないけど…
『千鶴…』
悲しそうに顔を歪めて確かにそう言ったのをあたしは聞いてしまったから。
悲しい気持ちのままあたしは眠りについた。