「じゃあ……、あたしもまだ頑張ろっと」
静かにそう呟くと、
隣からクスッと笑い声が聞こえてきた。
「懲りねぇな…好きにすれば?」
そう言った翼くんは言葉とは裏腹にとっても優しい顔をあたしに向けていて胸の中がザワッとした。
だって……、今までだったら
『お前みたいな子供に興味ない』とか『無理』とか言われてたんだよ…??
みんなにとってはどうでもいいようなことだけど、あたしにとってはとても大きな変化だった。
「好きなだけ好きでいるから許してね」
きっと、この先もあたしは君から目が離せない。
「別に…勝手にしろ」
「傷ついて泣いてたら慰めてよね」
「なんで俺が?ずっと泣いとけよ」
「ひっどいなぁー…もう」
そう言って翼くんの方を見ると不意に視線が絡み合う。
浴衣姿の翼くんにバックには綺麗な夜景。
いつもは明るい茶髪も夜景の灯りで少し黒色に見える。
だからなのか、いつもの何十倍も色っぽく見えた。



