「は、はい…!!

お母さん!鍵貸して!!」



あたしはお母さんの前にそっと自分の右手を差し出す。


やったぁ〜!今日は念願の一人部屋だ!



「じゃあ、母さん。俺も」



同じように翼くんも自分のお母さんの前に手を差し出す。



「莉乙はダメよ。

あなたすぐ物なくすんだから、
翼くんに持っててもらわなきゃ。

ってことで、はい。翼くんコレ鍵ね」



お母さんはあたしの手のひらに置かずに
何故か、翼くんの手のひらに鍵を置いた。



え……?


じゃあ、あたしの寝る部屋はどこ?


「翼、言っとくけど莉乙ちゃんに何もしちゃダメよ?」



翼くんのお母さんが翼くんに笑いながら言った。



待って……、状況が読み込めないんだけど。