「お前、俺がいない間にナンパなんかされてんじゃねぇよ」
翼くんは偉そうにそう吐き捨てながらドカッとベンチに座った。
あたしもその隣にちょこん、とさりげなく座る。
「好きでされたんじゃないもん…」
「お前がそんな格好してるからだろ」
不貞腐れたように言った翼くん。
なんでそんなに翼くんが露骨に怒ってるの?
あー、そっか。
せっかくの千鶴ちゃんとの時間がなくなっちゃったもんね。
「ごめん…。
千鶴ちゃんたちといたのに邪魔しちゃって…」
そりゃあ、好きな人といたのに
こんな何でもないやつのためにその時間を削るのは嫌だよね。
「別に。俺が好きで来たんだし」
「えっ…?」
好きで来たってどういうこと…?
「だから、お前が心配で戻ってきたっつってんだよ」
───ドクンッ…
そのセリフにあたしの心臓は跳ね上がった。
いつも、不意打ちすぎるんだよ…////
恥ずかしいのか、視線を下げてあたしと目を合わせてくれない。
その頬は少し赤い気もする。
まさか…ね?



