それから、数十分後
無事に受験票は見つかって
あたしが受験票を手にキャピキャピと喜んでいたとき、
『よかったな。見つかって』
彼は心から安心したようにふわっ、と微笑んだ。
『はいっ…!ありがとうございました…!!』
あたしは精一杯頭を下げた。
この人にはなんとお礼を言ったらいいのか。
『でも…なんで?』
なんでこの人はあたしを助けてくれたんだろ…?
自分の受験さえも危うくなるところだったのに。
『困ってる奴がいたら手を差し伸べるのが常識だろ』
彼は当たり前のように言った。
そうか…この人はとっても優しい人だ。
あたしなら、きっと自分の受験を優先してた。
あたしは最低な人間だよね。
彼みたいに優しくないし…親切でもない。
あたしもこの人のことを少し見習わなくちゃ…と思った。



