どんなに探しても、見つからない。
不安と焦る気持ちは募っていくばかり。
駅を行く人たちはみんなチラチラと
あたしの方を見るのに誰も声を掛けて探そうとはしてくれない。
当たり前だ。
みんな忙しいのにあたしになんか構ってられないよね。
手が砂で汚れても、
あたしは気にしないで必死に探し続けた。
『なんで…ないのよ……っ』
こみ上げてきそうな涙を必死に堪えて怒りの言葉を吐き捨てた。
『何がないの?』
『えっ?』
頭の上からとても柔らかい声がふってきてそちらを見ると、
ビックリするほど綺麗な顔をした男の子があたしを見ていた。
『なんか探してんだろ?』
そういって、あたしの隣にしゃがんで辺りを手探りに探し始めた。
えっ…この人探してくれるの?
この人もきっとあたしと同じ受験生だ。
だって、こんな時間に学生服を着て駅にいるのは受験生だけだ。



