「んじゃあ、行ってくるわ。ここから動くなよ」
そういうと、翼くんたちは
楽しそうに話ながら行ってしまった。
あたしはその様子を
なんとも言えない気持ちで見つめていた。
あたし……何やってるんだろ。
後押しなんかしちゃって…ライバルなのにね。
いや…千鶴ちゃんは翼くんのことどう思ってるかわかんないし、
もし仮に千鶴ちゃんが翼くんのことを好きだとしてもあたしはライバルと呼べるほど千鶴ちゃんと並べてない。
千鶴ちゃんがいい子すぎて。
恨みたいのに恨めないんだよ。
たぶん、叶うはずがないと思ってるから…
叶う自信がないから後押ししちゃうんだろうな。
ダメだなぁー…あたしは。
いつものポジティブさが無くなってる。
ベンチに座って自分の爪を何を思うわけでもなくジッ、と見つめる。
あたしはなんで翼くんじゃなきゃダメなんだろ?
他にも男の子はたくさんにいるのに。
あたしはふと、中学三年の時のことを思い出した。



