「はぁー…ほらそんな顔すんなって。

家まで送ってやるから早くついてこい」



お、送ってくれるの…!?

そんなの申し訳ないよ…!
奢ってもらった上に送ってもらうなんて…!!


「俺にキスした罰、その2。

俺に黙って送られる刑」


「ま、またそれだ…!!」


「言っとくけど、これまだまだあるからな」


「そ、そんなぁ〜…!!!」


「ゴチャゴチャ言うんじゃねぇよ。犬のくせに」


「犬じゃなーーーい!!!」


そんなやり取りをしながら、
あたしは結局、翼くんに家まで送ってもらった。



なんか…、夢みたいな一日だったな。

これまでの不幸が全部報われたような…そんな感じだ。

フワフワした気持ちだったから
その日、あたしは中々寝付けなかった。