「先輩…あなたは誰ですか…?」 朝坂先輩の書く手がピタッと止まった。 佐伯先生も驚いたように私を見る。 「誰って…朝坂優也だけど。 盛岡さん、記憶喪失ですか?」 「いいえ、先輩は朝坂優也じゃないです。 だって、朝坂先輩は本当に字が汚いですから。」 そう、これが違和感の正体だった。 いつも朝坂先輩は全力で字を書いているという感じだ。 でも、今日の朝坂先輩は、手を抜いているように見える。 それはまるで、わざと字を汚く書いているようだった。