「つまり、優也は盛岡さんに自分が不良だと隠していたんだな。」
「…ん。」
ここはお母さんと待ち合わせの公園。
残念なことに今日の買い物はお母さんの急用でなしになってしまった。
「なんで隠す必要があんだよ。」
「俺一応生徒会長だし。」
「んなの誰も気にしねーだろ。」
朝坂 友也(アサカトモヤ)
そう名乗った金髪さんがイライラとした顔で言い返す。
「あの…」
「ん?」
さっきとはうってかわって笑顔で振り向いてくれる朝坂さん。
その豹変ぶりが怖い。
「帰っても良いですか…?」
この空気でよく言った自分!
でもこれ以上部外者がいても意味がない気がするし…
「だめ。」
とびきりの笑顔でそう言われてしまった。
「俺ら二人だったら殴り合いの喧嘩になっちゃうから。」
さらっと物凄いことを言われた。
帰りたいと言う願いが叶わないことが分かったので取り合えず黙っておこう。
「それであん時俺に行かせたのか。」
「…あぁ。」
「お前さ、不良ってばれるのが嫌なら不良やめろ。」
もっともだ。
「お前が好きでやってんだろ。」
えー、好きで不良やってるのか。
暇なので心の中でつっこんでみる。
「なんとか言えよ。」
とうとう手が出た。
朝坂さんが朝坂先輩の胸ぐらを掴んだ。
「あの、ここは公共の場ですので…」
「あぁ…そうだね。」
素直に朝坂先輩を掴んでいた手を離し、大きく息を吐いた。
そもそもなんで朝坂さんがこんなに怒っているのか謎だ。
朝坂先輩が不良というのを黙っていたから?
それだけでこんなに怒るもの?
男子の心理はよく分からない。
「何か聞きたそうだね、盛岡さん。」
「え?」
「顔に出てるよ。」
自分の顔をさして笑顔を見せる朝坂さん。
でも、目はほとんど笑っていない。
「…あります。
どうして朝坂先輩が不良って隠してたことにそんなに怒ってるんですか?」
何となく隠してはいけない気がして、疑問を朝坂さんにぶつけてみた。
朝坂さんはその質問を待っていたかのように話始める。
「俺らの家はいわゆる金持ちってやつでね。
親の教育が昔から厳しかったんだ。
俺は早くから諦められてたからそんなに厳しくなかったんだけど、こいつはすごい期待されてて。
始めのうちはうまくいってたんだ。
」


