「昴と優也くんに近づかないで。」
私を見下ろして言う先輩。
その目は私を嘲っていた。
「それはあなたが…」
「それってお前らが決めることじゃなくない?」
私の声に合わせて、誰かがそう言った。
その声に先輩達は後ずさる。
「俺、本気で涼華ちゃんのことが好きなんだよね。
だから、邪魔されたらスゲー腹立つ。」
普段とは全く違う声でそう言う天野先輩は、私からしても怖かった。
先輩達にとってはなおさらだろう。
その証拠に、顔がひきつっている。
「昴の言う通りです。
あなた達に指図される筋合いはないと思いますよ。」
そしてどこからか表れる優也先輩。
神出鬼没って恐ろしいな。
「分かったなら、ここから去っていただけますか?」
「…っ!」
優也先輩の言葉に傷ついたのか、先輩達は走り去っていった。
なんだか最近よく絡まれるな。
残された私はそんなことを考えていた。
「さて、1つはっきりさせておきたい。」
優也先輩は眼鏡を外し、天野先輩を見た。
天野先輩も、それに対抗するようにまっすぐ優也先輩を見つめる。
「昴は、涼華が好きか?」
優也先輩は一体何を聞いてるの!
本人のいる前で!
「うん、好き。」
天野先輩も答えないで…
恥ずかしくて顔から火が出そうだ。
「残念だけど、俺も涼華が好きだ。
そしてもちろん友也も。
だから譲る気は一切ない。」
「俺もないよ?
あんなに俺にはっきり言う子初めてだし。」
二人の間で火花が散っているように見える。
もし私が何事にも楽しめるなら、この状況を楽しんでいたかもしれない。
だけど、正直信じられない。
こんな私を好きだなんて。
「涼華、」


