すると、冬嘉達もあたしたちが見ていることに気付いたらしく、こちらを見ていた。
何て言ってるのかは分からないけど。
冬嘉と守谷クンの表情から、大体のことは想像つく。
守谷クンは、あたし達が見てたの知っててわざとやったって感じ。
冬嘉は、顔を真っ赤っかにして穴があったらもぐりたいって顔してる。
ふふふっ(怪しい)
かーあーいーいー♪
冬嘉はやっぱり、表情素直だね。
どこでも仲のいい二人が、ちょっぴり羨ましく感じた。
「行くぞ」
「あ、うん……(本当は行きたくないけどっ)」
「あぁ?何か言った?」
ええぇっっ!!!!!
あたし、口には出してませんけど?
「いえ。なんでも?」
「やめるなら今だからな」
「べっ、別にやめなくて平気だけどっ?」
あたしの強がりを、知ってか知らずか(絶対知ってるよ)流は「ふーん」とだけ言った。

