あたしは隣にいる流の服を、無意識に握りしめていた。
今まで出したことのないような強い力が、流の服にシワをつくる。
手に変な汗が。
これだけの力を込めて握り締めたら、いくら握力の無いあたしでも気付かれちゃうわけで………。
流が、握り締められた自分の服の方を見つめてる。
それを知ってはいるけど、今はそっちを見る余裕など無いあたし。
うつ向いて、涙と震えを堪えるので精一杯。
「……………ほらみろ」
ため息混じりにボソリと言った流。
「世話のやけるお嬢様だな」
“ギュゥゥ………”
流は服を握っていたあたしの手を、ギュゥゥっと握った。
ビックリして流の方を見ると、目が合った。
「なんだよ?」
「………え、いや………」
こういう時、なんて言えばいいんだろ……?

