空の色雲の形

この家族はごく普通の暮らしをしていた。この家族の大黒柱である夏斗はどこにでもいるような普通のサラリーマン。妻の夏江はどこにでもいるような普通の専業主婦。
夏斗が仕事から帰ってくると夏江は玄関まで迎えに出る、そしてこの日にあった出来事などたわいもない話をしながら夕飯を食べる。本当にどこにでもあるような普通の家族だった。
2人は幸せだった。だけどこの幸せが少しずつ崩れ初めたのは長男「夏樹」が誕生してからの事だった。雲1つないよく晴れた日、夏樹は産まれた。夏樹は活発すぎるくらい元気な子で周りからは「元気な男の子」とよく言われていた。
だけど夏樹が幼稚園に通い始めた頃、よく担任の先生に「男の子とは一切遊ばずに女の子とお人形遊びやおままごとなどして遊んでいる」と言われた。先生は不思議そうな顔で話したが夏江は気にしていなかった。今は女の子と遊んでいても成長していくと男の子としか遊ばなくなるだだろうと思っていたからだ。
その日から数日経ったある朝の事だった。
「あなた忘れ物ない?」
「うん。大丈夫だよ。」
夏斗はこの日から1週間仕事で地方に出張に行くことになった。
「あれ?夏樹は??」
いつもなら夏斗が仕事行く時間になると必ず起きて、パジャマ姿でも見送りに来てくれるのにこの日は居なかった。
まだ寝ているのかと思い少し寂しくなった。
そんな時たった。
「パパ~」
元気な夏樹の声がした。
「お~~夏樹~。パパがいない間いい子にしてるんだぞ!ママを頼むな。」
夏斗は夏樹を抱き上げそう言った。
「うん!ねーパパ僕ね欲しいものがあるんだ。いい子にしてたら買ってくれる??」
「いいぞ~。何が欲しいんだ?」
「あのね、クマのぬいぐるみ!」
夏樹は目をキラキラ輝かせながら言った。
だけど夏斗は驚いた。会社の同僚に夏樹と同じ年頃の息子がいて今流行りのゲームをねだられ買ってあげたという話を聞いていたから。夏樹から欲しいものがあると言われた時はゲームをねだってくると思っていたのに。
「ねぇーいいでしょ~パパ~僕いい子にしてるからクマのぬいぐるみ買って~」
OKを出さない夏斗に夏樹は悲しげな顔で言った。
「…………わかった。いい子にしてたら買ってやる」
「わーいパパ大すきー」
夏樹は満面の笑みで言った。
そんな夏樹の顔を見て夏斗も嬉しくなったのでまぁ、いいかと思った。
抱き上げていた夏樹を下ろし夏江から鞄を受け取り、家を出た。
夏斗が出掛けた後夏樹は家の中をピョンピョンと飛んで走り回っていた。
幼稚園の制服に着替えているときも、朝食を食べているときも夏樹ははニコニコしている。そんな夏樹を見て夏江もまた不審に思ったのだった。
「ねぇ、夏樹どうしてクマのぬいぐるみが欲しいの?」
幼稚園に行く途中夏江は夏樹に問いかけた。
「僕の友達みんな持ってる。僕もほしい。」
「クマのぬいぐるみを持っている友達は男の子?」
「ううん。女の子だよ。どうして?」
「……………夏樹は女の子と遊んでるの??男の子と遊ばないの?」
「……………先生にもそう言われる。。。どうして男の子と遊ばなきゃいけないの?」
夏樹の顔から笑顔が消えた。
「……どうしてって夏樹が男の子だからよ。男の子なら男の子と遊びたいって思わないの?」
「……僕…男の子なんかじゃないよ……。」
夏樹のその言葉に夏江は返す事が出来なかった。夏樹もまたそのまま黙ってしまった。
夏樹を幼稚園に送り帰ってきた後、夏江は掃除をしていた。その時夏樹の1冊のお絵描き長が目に入った。それを手に取り広げてみるとロボットの絵が書いてあり夏江はそれを見て微笑んだ。だけど2ページ以降を見てると猫の絵やお姫様の絵殆どだったし、きちんと色まで塗ってあった。最初のロボットの絵を再度見てみるとロボットの絵は途中で書くのを止めてるし、色も塗ってなかった。お絵描き帳のどのページを見ても女の子が書くような絵ばかりだった。夏樹の可笑しな言動や、行動ははこれだけではなかった。2人でお買い物に行った時の事だった。
「ママ!あの子か着ている服可愛いねー」
すれ違った夏樹と同い年ぐらいの女の子を見て夏樹は満面の笑みで言った。その女の子が着ていた服はピンク色のワンピースにハートが沢山書いてあった。
「僕もあんな服が着たいなー」
夏樹の言葉に夏江は驚きを隠せなかった。
「何言ってるの??夏樹は男の子よ!あの女の子が着ている服は似合わないよ!」
夏江のこの言葉に夏樹の顔から笑顔が消えた。
「僕、男の子じゃないよ」
夏樹はそう言ったまま買い物中何も話さなくなった。夏樹は何だか周りの男の子達と違う。夏江ははそう思い急に不安になってしまった。
それから数日後夏斗が出張から帰ってきた。約束通り夏斗は夏樹にクマのぬいぐるみをプレゼントした。
夏樹は受け取るとピョンピョン跳ねて喜んだ。夏江から見るとその喜び方は異常に見えてしまった。
その日から夏樹は女の子の遊びを家でするようになった。夏斗からもらったクマのぬいぐるみ、幼稚園のお友達に貰ったお人形その2つを使っておままごとなんかをするようになった。それを見た夏江は少しイライラしていた。。ある夜の事だった。
夏樹は就寝中トイレに行きたくなり目を醒ました。するとリビングから夏江と夏樹の声がきこえてきた。
「夏樹のことなんだけど、あの子今日もおままごとなんかをして遊んでるのよ。あなたからも何か言ってよ」
「うーん。そんなこと言ってもな-。夏樹はまだ小さいし自由に遊ばしていいんじゃないか?小さいうちにそんなにガミガミ言ったら可愛そうだろ?」
夏樹はトイレを済ませ自分の部屋に戻った。2人が喧嘩をしている。特に夏江は怒っているような感じだった。どうして自分が好きな遊びをしているだけで夏江は怒るのかわからなかった。だけどこの日から夏樹は家でお人形でのおままごと遊びをしなくなった。幼稚園に行ったときや、お友達の家に行ったときにおままごとや、お人形遊びをして、家では絵本を読んだりTV観たりしていた。もう2人に喧嘩をしてほしくなかった。夏樹は夏江の事が大好きだったから夏江に嫌われたくないと思った。だけど家で女の子の遊びを止めてから夏樹の中で寂しいという感情が芽生えたのであった。

月日は流れ、夏樹は小学1年生になった。ピカピカの黒いランドセルを背負って学校に通う日々。男の子は黒いランドセル。女の子は赤いランドセルと決まっていた。この時も夏樹はどうして自分は赤いランドセルではなく黒のランドセルなのだろうと疑問に思っていたし、本当は赤いランドセルが使いたいだなんて夏江には言えなかった。
夏樹にとって小学校はつまらないものだった。入学したの頃幼稚園の頃のように女の子達と遊んでいると担任の先生から
「夏樹君は男の子なんだから男の子と遊びなさい」
と、言われ男の子グループに入れられた。だけどその男の子達ともうまく遊べずクラスで孤立してしまった。いつも教室でポツンといるような毎日。学校なんてキライ。そう思っていた。だけどそんな夏樹に救いの手がを差しのべてくれる人が現れた。同じクラスの「悟」という男の子だった。男の子だけど女の子みたいな顔をしていて、いつも笑顔で誰にでも気がね無く話すフレンドリーな子だった。夏樹と悟はすぐに仲良くなった。悟といると楽しい。嫌なことも忘れて笑顔にななれる。悟のお陰で居心地の悪かった教室が楽しくて大好きな場所になった。
進級するにつれ悟とはクラスが別れたりもしたが休み時間になる度に悟のクラスに行き、悟や悟のクラスの友達と遊んでいた。お陰で自分のクラスには友達が一人も出来ずに孤立していたが気にもしていなかった。悟がいればよかった。そんな小学生活を送って、夏樹が小学5年生になった時だった。夏樹にとって大事件が起きた。なんと弟か、妹が出来ることになった。ずっと一人っ子だったし、弟か妹がいればと思ったこともあった。その願いが叶う。夏樹は純粋に嬉しかったし、弟でも妹でもいいので早く会いたいと思った。
しかしこれが夏樹の生活を変えてしまう悪夢の始まりだった。空は晴れているが、わたあめのような雲が浮かんでいる日。妹が産まれた。
名前は「夏」と名付けられた。夏樹も夏を可愛がり宝物のように扱った。夏はみんなの愛情を受けすくすくと元気な女の子に成長していっただけどその影で夏樹は両親からは
「お兄ちゃんなんだから」、『男の子らしく外で遊びなさい』
と以前にも増して言われるようになった。勿論幼稚園の時友達に貰った人形や、夏斗に買ってもらったクマのぬいぐるみは取り上げられ夏にあげることになり、代わりにゲーム機や男の子が遊びそうなものばかり渡された。夏江も夏斗も満足そうにしていたが夏樹はちっとも嬉しくなかった。どうして大事にしていたクマのぬいぐるみや、人形を夏にあげなくてはならなかったのか、どうして男の子用のゲーム機を渡されたのかどうして「お兄ちゃん」とか「男の子らしく」とか言われるのかわからなかった。答えを求めて誰かに聞こうとも思ったが誰にも聞くことなんて出来ない。不満を持ちながら生きていくしかなかった。夏樹は自分の気持ちを押し殺し我慢した。夏樹はもう一人の自分つまり「男の子」
として過ごす日々が始まった。家族の前では股を全開に広げて座ったり男の子の口調で話したり夏江の買ってきた男の子用の服を喜んで着たり男の子らしく振る舞った。だけど家族が居ないところでは女の子の雑誌を買って読んだり、女の子と2人で遊びに行ったりしていた。周りから見れば幼いカップルに見えていただろう。
中学に進んでも夏樹の生活は変わることはなかったが夏樹の周りの子達は変わっていった。女の子はみんな夏樹から離れていった。
男の子も女の子も話題は恋愛の話題。
夏樹には全く興味がなかった。更に1番の大親友の悟にも彼女ができた。1つ年上の先輩だった。悟まで自分から離れていってしまうのではと不安だったが、悟は夏樹から離れることはしなかった。彼女との時間も作りつつ夏樹との時間も作ってくれていた。
「セーラー服っていいよなー。」
休み時間夏樹と悟は校庭でボンヤリしていて、夏樹は目の前の女子生徒を見てボソッと言った
「えっ??」
隣にいた悟が夏樹の発言に驚いた。
「セーラー服っていいよなー。。。何で僕はこんな制服着ているんだろう」
驚いている悟を気にもせず夏樹は言った。
「夏樹君。。。何言ってるの??
夏樹君は男の子なんだから制服を着るのは当たり前だよセーラー服なんて着ていたら変だよ」
「僕は男の子なんかじゃない!!」
夏樹は大きな声で言った。その声に周りに居た生徒も驚く程だった。両親が望むように必死で自分なりに演技をしているしかしそのせいでストレスが溜まる。夏樹の中で何かが無くなっていくよう虚しい感情が胸に押し寄せてくるのがわかった。
この日以来悟はあまり夏樹の所に来なくなった。悟は夏樹が心配たったけどどう接していいのかわからなかった。夏樹は1番の大親友自分で遠ざけてしまった。
やがて夏樹の生活は何も変わらないまま、高校に入学。高校では本当に1人ぼっちになってしまった。高校に入ってから夏樹は嘘の自分に段々腹が立った。何度も男の子なんだからといい続けた両親。心も身体も女という性別だけで夏樹の望むものを全て持っている妹の夏。そして本当の自分じゃない。自分の姿に。夏樹はこの平和な家族を壊したい。両親や夏から笑顔を消したい。という気持ちが起こるようになった。
夏樹はあまり評判の良くない年上の不良グループとつるむようになった。
学校にもろくにいかずピアスをあけ、髪の毛を染め、タバコも吸うようになった。夜中でも平気で出掛けたし、街に出て喧嘩や、カツアゲ万引きもして、警察に連れていかれた。当然両親にも連絡がいき夏江はいつも夏樹を迎えに警察に行き、何度も謝っていた。
当然両親は夏樹に怒ったし2人は喧嘩もしていた。夏樹はそんな二人の姿を見るのが楽しくて仕方なかった。高校も何も言わずに勝手に退学届けを出した。その事を知った夏斗は夜出掛けようとしていた夏樹を呼び止めリビングの椅子に座らした。
「勝手に学校を辞めるなんて何を考えてるんだ!!?」
「………」
夏斗の怒りの問いかけに夏樹は答えようとしない。それどころか不貞腐れた顔で夏斗と目を合わせようともしない。
「こっちを見なさい!!」
夏斗はさっきよりも大きな声で言った。だけど夏樹はそんな夏斗にビクッともせずに夏斗を睨み付けた。
「何だ??その目は??」
夏樹は机を思い切り叩きながら立ち上がったり、目の前にあったコップを夏斗に投げつけた。中身は入ってなかったし夏斗に当たらなかったものの夏樹の目と行動に夏斗は驚きを隠せなかった。夏樹はそのまま何も言わず出ていった。夏樹が出ていった後二人は喧嘩になり、夏はそれを見て泣いていた。
そんな生活が続いたある日の事夏樹の運命を変える出来事が起きた。
その日、家で寝ていた夏樹は電話の音で目が醒めた。家には誰もいないようだったので渋々電話に出た。
「はい。。。もしもし」
「あ。。、。!夏樹君、?久しぶり~僕だよ。悟だよー」
電話の相手は小学校の頃からの大親友だった。悟。夏樹は嬉しくなり、色々と話した悟は相づちだけを打った。何も変わらない悟が夏樹は嬉しかった。後日会う約束をした。
久しぶりに悟と会うことが出来る。夏樹はワクワクしていた。だけど悟は今の夏樹の姿を見てどう思うだろうか。学校を辞めたことは話したが今の夏樹の姿は話していない。悟は中学時代の夏樹を想像しているだろう。凄く不安だった。
悟に会う日がやって来た。夏樹はこの日のために髪の毛を黒に戻しピアスを外した。悟の前では中学時代の自分でいたい。そう思った。久々に会う旧友に心を踊らせながら夏樹は待ち合わせ場所に30分も早く着いてしまった。早く会いたい。。夏樹はまるで恋人を待っているようだった。
約束の時間より五分程遅れて悟はやって来た。悟は中学の時から何も変わってなさそうで夏樹はそれが嬉しかった。悟の隣には見たことの無い顔の男が立っていた。そして久々に会った悟の口から予想もしなかった言葉が出てきた。なんとその男は夏樹と同じような悩みを持っているのだった。それは見た目は男性だけど心は女性というものでそれは[性同一性障害]というものだと言うことがわかった。その人の話を聞いていると、小さい頃から男の子として扱われそれにいつも疑問を持っていたこと。夏樹と同じだった。
話を聞いているうちに夏樹は少し救われた気持ちになった。長年自分を苦しめてきたこの感情。誰も自分の事わかってくれなかった。だけど今、自分と同じ悩みを持っている人に会うことが出来たそう思うと凄く嬉しかった。その人と出会わしてくれた悟に何度もお礼を言った。悟は笑顔で頷いた。中学の頃夏樹と距離をおいてしまったこと後悔していた。卒業してから夏樹と会えなくなり心配していたこと。そんな時バイト先の先輩と話をしていると夏樹と同じようなことを言っていて二人を会わせてみようと思ったことを話してくれたのだった。やっぱり悟は夏樹にとって大親友だと心から思った。暫くすると悟は2人で話すように言い帰っていった。二人きりになり何を話せば言いかわからなかったが時間が立つにつれ普通に話せるようになった。その人の名前は「真咲」というそうだ。お互いの連絡先を交換してその日は別れた。
その日を境に夏樹は真咲とほぼ毎日会うようになった。真咲は3つ年上の大学生。
夏樹は真咲に全てを話した。自分が苦しかったこと辛かったこと全てを話した。真咲はただ黙って頷いていたが夏樹はそれだけで充分だった。夏樹はいつの間にか真咲に惹かれていった。初めて「好き」という感情が夏樹の中に溢れた。真咲を愛したいし真咲に愛されたい触れたい。。。そう思うようになった。
真咲と出会って1ヶ月が過ぎたある日。夏樹がいつものように待ち合わせ場所に行くと珍しく真咲が早く来ていた。いつものように真咲に話しかけた。だけど何か真咲の様子がいつもと違った。いつもなら笑顔なのに真咲は凄く真剣な顔をしていた。何かあったのかと心配になった。夏樹はなるべく明るく振る舞った。でも真咲の表情はいつまでも固まったままだった。
「どうしたんだよ?真咲。。何か今日元気ないね?」
夏樹は恐る恐る問いかけた。
「夏樹。。。。僕、、、君のことが好きだ、。」
真咲は顔真っ赤にして言った。夏樹は驚いて声も出なかったが余りの嬉しさに思わず抱きついてしまった。真咲もこれには驚いたみたいだったがすぐに夏樹よりきつく抱きしめた
道行く人は男同士で抱き合っていることが気味悪いのだろう。不審な目で2人を見ていたが夏樹も真咲も気にしていなかった。両思いになれた。その事が凄く嬉しかった。その日初めて真咲の家に行った。真咲はアパートに独り暮らしだった。真咲の家で初めてキスをした。この日のことは多分一生忘れられないだろう。あの日の夜以降夏樹は真咲の部屋で会うようになった。キスしたり抱き締めあったり二人で一緒に居られるのが本当に幸せだった。真咲と出会ってから不良グループの抜けた。当然裏切り者扱いされボコボコにされたが真咲一色の生活にするために耐え続けた。アルバイトを始めた。家を出るための資金だ。こんな家早く出でて真咲と2人で住みたいと思っていた。昼間はアルバイト。夜は真咲の家と殆ど家には居なかった。勿論両親は怒った。性同一性障害のこと話したが聞く耳を持たない両親のことなんてどうでも良かった。真咲が側に居てくれるだけで良かった。幸せだった。そう。あの日までは。
その日は外で食事をすることにした。外で待ち合わせをしていつもより豪華な食事をしてお酒も呑んだ。お酒が入ったせいもあったのか夏樹も真咲も気分が良くなり初めてラブホテルという建物に入った。安いラブホテルだったので普通のホテルのようなフロントはないし、係の人も居なかった。自分達で空いている部屋を探し中に入った。部屋の中はベットは1つ。ベットの上には大きな鏡があり寝ると夏樹と真咲の姿が写っていた。女の子と付き合ったこともなかった夏樹はドキドキしていたが真咲のリードで童貞は失われた。
次の日夏樹は余韻でまだ頭がフワフワしていた。横には大好きな真咲の顔。夏樹はこれ以上にない幸せを噛み締めていた。暫くした後ホテルを出た。出ていく時は少し緊張していたが真咲が手を繋いでいてくれたので堂々としていられた。しかしホテルを出て少し歩いた所に今、一番会いたくない夏斗の姿があった。夏斗は無言で怒りを越えた落胆した表情で夏樹の手をとり真咲から無理矢理引き離した。夏樹は抵抗したが怒りで今まで以上の力のある夏斗には勝てなかった。夏樹は夏斗に手を引かれ家路についた。家に着いた途端夏斗は夏樹から手を離し思いっきり夏樹の顔を殴った。夏樹は勢い余ってテーブルに身体が半分乗り上げてしまった。そして夏樹に向かって
「男同士であんなところに入って何していたんだ?」と言った。
夏斗は同性愛とかとりあえず一般からずれていることが大嫌いな人で、だから夏樹の身体の悩みなんて気持ち悪いのだ。
次の日から夏斗はまるで感染する病原菌みたいに扱い夏江や夏にも夏樹に近づかないように言い夏樹の存在を無視し始めた。
夏樹はすぐに家を出ることにした。
夏樹はボストンバッグに身の回り物を入れ玄関のドアを開けた。たまたま外にいた夏斗と鉢合わせしてしまった。夏斗は出て行こうとする夏樹を止めることなく
「二度と俺の前に顔を見せるな!!お前とは縁を切る!!この家の恥じ去らしめ!!」
と背中越しに言った。
夏樹は今まで我慢してきた感情が溢れ思いっきり夏斗の顔を殴った。夏斗は勢いよく飛んだがすぐに立ち上がった。夏樹にも1発パンチが飛んできた。夏樹は庭に植えてあった木に勢いよく飛んでいき左腕に鋭い痛みが走った。痛む腕を押さえながらボストンバッグを持って家を飛び出した。
家から青ざめた夏江の顔と夏江にしがみついて今にも泣きそうな夏の姿が見えた。
「お兄ちゃーーーーーーーーん!」
走り去る夏樹を夏は呼んだが夏樹は振り向きもせず走っていった。








[妹~~夏編]
夏樹が家を出てから何年かの月日が過ぎた。当時小学生だった夏も高校生になった。
夏樹が家を出ていったあの日夏斗は夏に
『兄は死んだと思いなさい』
と言った。だけど夏はそう思いたくなかった。
いつか玄関のドアが開き夏樹が帰って来るのではないかと思いよく玄関のドアを見ていたり、こっそり 夏樹の部屋を覗き、もしかしたら夏樹が帰って来ているのではないかと思ったりしていたこともあった。だけど夏の思いは叶わず夏樹は一度も帰らないまま月日だけが過ぎていった。
『ただいまー』
夏は学校から帰りゆっくりと家の中に入った。リビングに行くと夏斗がソファーに座りボンヤリしていた。夏斗は数週間前に会社をリストラされてしまったのだった。
リストラ……よくテレビや新聞で見たり聞いたりするが、夏は他人事のように思っていた。
まさか自分の父親がリストラされるなんて思ってもいなかったし夏斗本人も思っていなかっただろう。リストラされてからの夏斗は何も話さない。ただ1日中ボンヤリしていた。
何だか心配になるほどだった。
夏斗がリストラされてから夏江がパートではあったが、何とか仕事を見つけ働くようになった。
だけど夏江は結婚してから専業主婦だったため、働くのは久々で何だか毎日疲れているようだった。夏も何か役に立ちたいと思いアルバイトをしょうと思った。
仕事から帰ってきた夏江に伝えると、反対したが自分も役に立ちたい、夏斗が元気になり、仕事を探しをしたら辞めると言うと 夏江は渋々了解した。
次の日から夏はバイト探しを始め、何とかファミレスのバイトを見つけることが出来た。
働いたことなど一度もない夏は不安だったが家族の為に頑張ろうと思った。
数日後夏は初めての出勤日を迎えていた。店長の紹介で皆に挨拶をした。他の従業員は夏を歓迎するところか何故か皆冷たい目で夏を見てくる。不安が倍増する。
店長の指示は1人の女の人を夏の指導係にした。その女の人は店長の前では笑顔だったが店長が居なくなると夏を無視した。仕事の指示もくれなかった。
夏から声をかけても答えてくれない。
とんでもない所に来てしまった…………夏はそう思った。
どうしていいかわからずボンヤリしていると後ろから肩を叩かれた。
驚いて振り向くと1人の男性がいた。
『こっちにきて』
と言われた。怒られる覚悟でついていくとその男性は夏に丁寧に仕事の指示をしてくれたのだ。
『みんなのことは気にしなくていいよ。わからないことは俺に聞いて』
と言ってくれたのだ。夏は笑顔になり
『ありがとうございます』
と言った。夏に声をかけてくれた男性が健一だった。
バイト初日はあっという間に過ぎていった。初めてのことばかりで夏は相当疲れてしまった。
着替え従業員出入り口に向かうと目の前を健一が歩いていた。
『あ、あの……』
夏は健一を呼び止めた。健一も疲れた顔をしていたが夏を見ると笑顔になってくれた。
『お疲れ様。疲れたでしょ?』
『ハイ。でも大丈夫です』
夏は健一に負けないくらいの笑顔で夏は答えた。健一と夏は帰る方向が同じだったので途中まで一緒に帰ることにした。
健一は夏より3つ年上でフリーターだった。話している時いつもニコニコしていて何だか隣にいるのが凄く居心地がいいと感じた。
他の従業員の人達と上手くやれないのは辛いが健一が優しくしてくれるのなら頑張れると思った。
健一と別れ,家に着くと夏斗の姿がなかった。
夏江に聞いても知らないようだった。いつもソファーでボンヤリしているのに今日はどうしたのだろうか。 出かけるまで回復したのだろうかと思っていた。
この日夏斗が帰ってきたのは零時を過ぎていた。
問いかけても夏斗は何も答えなかった。
そしてそのまま寝室に入ってしまった。夏江も夏も気になって仕方がなかったが夏斗が何も答えてくれない以上問い詰めることは出来なかった。
次に日の朝夏が学校に行く準備をしてリビングに行くと夏斗の姿はなくまだ寝ているようだった。夏斗のことは気になっていたが夏は学校へ行くことにした。
学校は楽しい。夏の通う高校は共学。好きな男子は居ないものの、格好いいと思う男子はいたので友達とよく盛り上がっていた。勉強は苦手………けど体育は大好きだった。
学校での楽しい時間が終わると、バイトの時がきた、正直人間関係がよくない場所は気が重かった
従業員の皆に挨拶をしても誰も返してくれない。それどころか睨みつけてくる人もいた。夏は泣きたくなった。その時だった夏の頭を優しくポンと叩く人がいた。振り向くと健一だった。
『今日も頑張ろうね』
健一は笑顔で言ってくれる。
『ハイ』
夏も笑顔になる。何だか健一がいると不安な気持ちもなくなる。健一が優しくしてくれるならバイトも頑張れると思った。
そしてバイトを初めて1ヶ月が過ぎた。従業員の人達は相変わらず仲良く出来ないが、健一とは仲良く出来ている。仕事も健一のお陰で随分と覚えることが出来たしほんの少しだけバイトが楽しくなってきた。
『やっぱり夏ちゃんは若いね~覚えるのが早い!』
バイトが終わると健一と夏は一緒に帰るのが日課になっていた。
『若いって……3つしか違わないじゃないですか。』
『そうだけどね~あっ!夏ちゃん敬語使わなくていいよ』
『でも……』
『バイトの時はタメ語はダメだけどこんな風に一緒に帰ってるときとかさ』
健一は笑顔で話してくれる。どうしてこんなに優しい笑顔が出来るのだろう。夏の学校の同級生の男子や、学校の先生などはこんなに素敵な笑顔なんて見たことがなかった。健一は本当に素敵な人だとこの時思った。
そんなある日の事だった。バイト先に行き、着替えようとロッカーにを開けると大量のゴミが入っていた。
(誰かのイタズラだ……)
夏はそう思った。そして次の瞬間聞
『やだ~汚い!あの人のロッカーゴミだらけだよ~』
と数人の女の人が笑いながら話していた。
(この人達の仕業だ)
夏はそう思った
仕事中も夏の事をジロジロ見ながら
『汚いよね~』
とヒソヒソ話しながら笑っていた。
(あなた達がしたくせに‼️)
夏はそう思い悔しさと悲しさで一杯だった。
次の日も次の日も夏のロッカーにゴミは投げ込まれていた。
夏は今までこんな嫌がらせは受けたことがなかった。小学校の時も中学生の時も高校でも上手くやってきた。なのにどうしてバイト先でこんなに目に合わされるのか。理解が出来なかった。
店長にも相談出来ない。健一にも相談出来ない。1人で耐えるしか無いのかと思った。
更に夏にとって心配なことが起きた。最近家に居ることが少なくなった夏斗が全く帰って来なくなった。夏江も夏も何度も夏斗の携帯に電話したが出てくれない。
夏は心配で学校の授業もバイトも身が入らなかった。ミスが多くなり店長からも注意をされた。
そんな夏を健一は心配して同じ休みの日に遊びに誘ってくれた。
正直そんな気分ではなかったがせっかくだったので行くことにした。健一と一緒に居ると楽しい。
バイト先の嫌なことも夏斗のことも忘れられる。
『夏ちゃんさ最近どうしたの?元気ないね』
映画を見たり買い物したりした後、たまたま通りかかった公園ベンチに座り健一が言った。
『………別に何もないよ』
夏も隣に座りそう答えた。
『バイト先の女子達に何か言われたり、されたりしていない?』
健一はそう言うと夏が入る前の事を話してくれた。
新人いじめみたいなことがあるようで睨み付けたり、わざとぶつかったりして皆耐えきれずに殆どの人が辞めてしまうのだった。店長も見て見ぬふり。健一は夏を見た時今度こそ辞めてほしくないと思い声をかけたのだった。
夏は健一の話を聞いて今までされたことを話した。すると健一は
『気づいてあげれなくてごめんね。頑張ったね』
と夏の頭を優しく撫でた。その言葉と健一の手の優しさに夏は泣いてしまった。別れ際
『夏ちゃん、バイト辞めないでね』
と笑顔で言った。その言葉に夏ははっきり頷く事は出来なかったが健一が居てくれるならもう少し頑張ろうと思った。
家路に向かっていると見覚えのある男性とすれ違った。
『あれ?……お父さん……?』
夏は後を追った。
1人で歩いていると思っていたが連れがいたようでそれも女性だった。
凄く楽しそうに歩いている。あんな楽しそうな夏斗はもう何日も見ていない。
2人の歩くスピードが早いのと人が多くて夏は見失ってしまった。
見間違なんかではない。絶対に夏斗だった。隣を歩いていた女の人は誰だろ。凄く楽しそうだった。まさか不倫相手……。
家に帰ると夏江が帰っていた。街で夏斗を見たことは言えなかった。言えるわけがない。
きっと帰って来ると信じている夏江に夏斗が女の人と楽しそうに歩いていたなんて絶対言えないと思った。その夜夏は夏斗の携帯に電話をしてみた。だけど出てくれない。夏は夏斗の笑顔が離れず中々眠ることが出来なかった。
次の日寝不足で学校へ行きバイトに向かった。バイトに行くのは憂鬱だった。
だけどその日バイトに行きロッカーを開けるとゴミは投げ込まれていなかった。夏の事をクスクスと笑っていた女子達も何処か気まずそう夏と目を合わせようともしなかった。
次の日も、次の日もロッカーにゴミは投げ込まれていなかったし夏をクスクスと笑う人は居なかった。夏への嫌がらせは終わったようだった。健一に報告すると喜んでくれた。どうやら健一が注意してくれたようだった。女の人達は、夏が挨拶をすれば返してくれる。何か質問すれば答えてくれる。ようやく、バイト先が平穏な場所になった。だけど、陰で健一はキレたら怖いという噂が流れたが夏は少しも気にしていなかった。きっと夏を助けるめに注意してくれたのだから健一には感謝していた。
それから、2、3ヶ月過ぎた頃夏と健一は恋人同士になった。夏にとって初めての彼氏だった。夏は嬉しくて毎日が幸せだった。だけど夏江はそうではなかった。夏斗はまだ帰って来ない。夏江は心配で仕方がないのだ。警察に捜索願いを出しても事件性がないと動いてはくれない。夏は1人以前夏斗を見かけた場所に行ってみた。今度こそ捕まえて連れて帰るのだ。そう思っていたのに何度行っても夏斗に会えなかった。電話も繋がらない。そんな時夏江の携帯にメールが届いた。送信者は夏斗だった。
『家には帰りません。夏樹の所に居ます。』という短い内容だったが夏江も夏も頭の中に沢山の?のマークが浮かんだ。
『えっ?どいうこと?夏樹ってお兄ちゃん?お父さんはお兄ちゃんの所に居るって事?』
夏は少し大きな声で言った。夏江は携帯を開いたままボンヤリしていて何も答えない。夏は携帯を取り夏斗に電話をかけたが出ない。どいうとなのかわからなかった。夏の兄の夏樹は夏が小さい頃家を出ていき音信不通だった。それなのに夏斗と一緒に居るようだ。一体どこで再会をしてそうなったのか。不思議だった。だけど夏江はその日から元気になった。不思議なくらいだった。
そしてその日から 夏江は帰りが遅くなった。休み日も家に居ること少なくなった。理由を聞いてみるとパート先で仲良くしてくれる人が出来て、ご飯に行ったり、遊びに誘ってくれるのだという。そう話す夏江の目は泳いでいた。だか夏はそれ以上は追及しなかった。それから数日後 夏江は夏に1人の女の人を紹介した。
『夏、お母さんのパート先の人で早苗さん。仲良くしてくれる人が居るって話したでしょう?早苗さんの事だったの』
夏江からそう聞いた夏は驚いた。早苗をよく見てみると年齢は夏と変わらない。
『こんにちは、夏ちゃん。早苗です。夏江さんから夏ちゃん事聞いて会ってみたいって思ったの。仲良くしてね。』
早苗は満面の笑みで夏にそう言った。夏と早苗は仲良くなるのに時間はかからなかった。夏は早苗を姉のように慕ったし早苗も夏を妹のように可愛がった。夏は学校の事、健一のこと、バイト先のこと、夏江には話せないことを早苗に何でも話した。早苗は親身になって聞いてくれていた。
早苗は自分のことは話さないがいつだって親身になってくれる早苗が大好きになった。毎日が楽しかった。だけどそれは 長く続かなかった。健一の本性が現れ始めたからだった。
最近夏に対する健一の態度が変わっていた。電話にすぐ出なかったり、メールの返信が少しでも怒ったり、浮気を疑うのだった。それは学校に居るときでも同じだった。授業中は無理だと何度言っても健一は納得しなかった。だけど時に前のように優しくしてくれる時もある。夏にとって健一が初めての彼氏。男は同じようなものなのかと思う反面少し嫌気もさしていた。。
ある日夏は早苗と2人遊んでいると健一からメールが届いた。
[すぐに来い!]
夏はこの内容にイラッとして
[今、友達と遊んでいるから無理]
と返信をした。所が健一からの内容は
[いいから来い!来ないと殺す!]
と酷いメールだった。早苗に事情を話し謝り、健一の所に走った。
走っている時に健一から再びメールが届き、指定された場所はパチンコだった。
その場所に行くと健一は少しイライラしている様子だった。
健一は夏の姿を見ると睨み付けた
『遅いぞ!もう少し早く来い!』
『………』
一生懸命走ってきたのにいきなりそんな風に言われ夏は返す言葉がなかった。
『財布貸せ!』
『えっ?!』
『財布貸せって言ってるんだよ!!』
夏は言われとおり鞄から財布を取り出し健一に渡した。健一は財布を奪い取りその中から何枚か札を抜き取り夏に返した。戻ってきた財布の中身を見ると小銭しか残っていなかった。健一は何も言わずパチンコ屋の中に入って行った。1人その場に残された夏は泣いた。
もう嫌だと思った。別れたいと思った。
その日の夜。
[夏~今日はごめんな。今度何処か遊びに行こうな~]
健一からのメールだった。ハートが沢山だった。機嫌が良いみたいだ。きっと夏から奪い取ったお金でパチンコをして勝ったのだろう。 夏は健一にメールの返信をせずに携帯を閉じた。
バイト中も夏は健一に関わらないようにしていた。
バイト終了後健一は夏を待っていただけど夏は健一を無視して帰ろうとした。
『待てよ!……』
健一は夏の腕を掴んだ。
『今から俺の部屋に来いよ』
『……行かない。私は早く帰りたいの。……』
夏は健一の腕を振り払い冷たくそう言った。
『お願い、少しだけ。俺、夏と一緒にいたいよ~』
健一は子どものように夏に甘えた。仕方なく夏は健一の部屋に行くことにした。
健一は部屋に入るなりベットに向かった。
『夏もこっちにおいで~』
健一は夏を手招きした。だけど夏はベットには行かず、流し台にある沢山の茶碗や、コップを洗い出した。
『夏~~~夏ちゃん~~』
健一は夏を呼びながら、傍にきた。そして、突然夏の脇腹をくすぐり出した。
『ちょっと………やめて……く、くすぐったい……』
夏は身体を少し、動かしながらくすぐりに耐える。
どれだけやめてと言っても健一はくすぐりをやめない。
『くすぐったい~~……やめて~~おねがい~』
『………夏が機嫌直してくれたらやめる』
『………わかった……機嫌直すからもうやめて~』
夏はくすぐりに必死に耐えながら言った。
それを聞いた健一はくすぐるのをやめた。夏は力が抜け、そのまま座り込んでしまった。健一はそんな夏をお姫様抱っこし、ベットヘと連れて行った。健一はとても優しい顔をしていた。
『健一君………』
2人はそのままキスをし、身体を重ねた。今まで健一とは何度も身体を重ねてきた。だけどこの日は今までと違う気がした。夏の目から涙が溢れ、幸せを感じてしまい、別れたいと思った自分を憎んで、健一とこのままずっと一緒に居たいと思ってしまった。それから数ヶ月が過ぎたある日の事だった。夏は自分の身体に異変を感じた。食欲不振になったり、少しの匂いにも気分が悪くなったりしていた。何かの病気なのかと思った。だけど考えてみれば生理も来ていなかった。
まさか……と思った。思い返すと健一と避妊ぜずに身体を重ねたことがあった。だけど避妊ぜずに身体を重ねた場合の妊娠する確率は低いと聞いたことがある。 夏は薬局で妊娠検査薬を購入した。調べてみみると妊娠していた。頭の中が真っ白になった。よくドラマや、映画で若い女の子が妊娠するシーンを観たことがあったけどまさか自分がドラマや